結論:責任を持つのは元請の主任技術者(監理技術者)
施工計画書は、工事を請け負った受注者(元請)が作成して発注者へ提出する書類です。受注者(元請)が責任を負い、計画の技術上の管理はその工事の主任技術者(監理技術者)が担います。公共工事では共通仕様書により、工事着手前の提出が受注者に求められているのが一般的です。
一方で、施工計画書を「主任技術者が一人で一字一句を書かなければならない」と定めた規定は見当たりません。実際の現場では、社内の工事担当者や協力会社、外部の作成支援など、さまざまな人が資料の整理や下書きを手伝っています。
大切なのは「誰が手を動かしたか」ではなく、計画の中身を主任技術者(監理技術者)が理解し、自らの計画として判断・承認し、提出しているかです。このページでは、その考え方の根拠と、外部に頼める範囲・頼めない範囲を整理します。
建設業法26条の4が求めていること
建設業法第26条の4は、主任技術者と監理技術者の職務を定めた条文です。
ここで求められているのは、主任技術者(監理技術者)が施工計画の作成という職務に責任を持って誠実に当たることです。この条文は、技術者が計画を立て、管理する責任を定めたものと解されており、資料の整理や下書きなどの補助を他の人に頼むこと自体を禁じたものではないと考えられます。
ただし、補助を受けた場合でも、計画の内容を把握しないまま提出することは、この職務を果たしているとは言えません。外部に頼むときほど、内容の確認と判断を主任技術者(監理技術者)自身が行うことが重要です。
また、公共工事では、発注者の共通仕様書で「受注者は工事着手前に施工計画書を監督職員に提出する」とされているのが一般的です。提出するのは受注者(元請)であり、この点も外部に頼む場合に変わりません。
外部に頼めること/頼めないこと
施工計画書の作成を外部に頼む場合の役割分担は、次のように整理できます。
| 外部に頼めること(作成の補助) | 元請の主任技術者(監理技術者)が行うこと |
|---|---|
| 設計図書・特記仕様書の読み込みと、記載すべき事項の拾い出し | 施工方法・工程・体制など、計画の内容の判断 |
| 各章の下書き、工程表・組織表・図面などの作成 | 下書きの内容の確認と修正の指示 |
| 品質管理基準・工程・数量の整合確認 | 計画書の社内承認 |
| 発注者の指摘を受けたあとの修正案の作成(範囲・回数は契約による) | 発注者への提出と協議、現場での計画の実行 |
左の列はあくまで「書類にする作業」です。右の列にある判断・承認・提出を外部に移すことはできません。
一括下請負(22条)・行政書士法との関係
一括下請負(建設業法第22条)は、請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず一括して他人に請け負わせること(および一括して請け負うこと)を禁じる規定です。施工計画書の作成の補助は工事そのものを請け負わせるものではありませんが、元請が施工計画の作成などに実質的に関与していないと、一括下請負と判断されるおそれがあるとされています。だからこそ、計画の判断は元請が自ら行う必要があります。
行政書士法は、官公署に提出する書類などを、報酬を得て作成することを行政書士の業務と定めています。施工計画書が行政書士法の対象となるかを示した公的な見解は見当たりません。当社は、内容の決定と提出をお客様(受注者)が行う前提で作成の補助に限ってお手伝いしており、官公署に出す許認可の書類はお受けしていません。
いずれも、個別の工事や契約の内容によって判断が変わることがあります。気になる点がある場合は、発注者や専門家にご確認ください。
外部に頼むときによくある間違い
- 下書きを確認しないまま、そのまま提出してしまう
- 外部に頼んだ範囲(下書き・図表・整合確認)が社内で共有されておらず、指摘への対応が遅れる
- 設計図書・特記仕様書の最新版が渡っておらず、古い版で下書きされる
- 発注者との協議の結果が、下書きに反映されていない
- 社内の様式やルールを伝えずに頼み、書き直しが増える
頼む範囲・渡す資料・確認の順番を最初に決めておくと、外部の補助を使っても、計画の判断を元請の手元に残したまま進められます。
施工計画書の作成を頼むときに用意するもの
外部に作成の補助を頼むときは、次の資料があると、確認のやり取りが少なく進みます。記載する項目と書き方の要点は施工計画書とは(記載項目と作成例)で整理しています。
- 設計図書(図面・数量内訳書)
- 共通仕様書・特記仕様書
- 工期と、予定している工程(分かる範囲で)
- 使用する予定の機械・協力会社・現場の体制
- 元請の社内様式、または過去に提出した施工計画書の例
そろっていないものがあっても、確認したい事項を一覧にしてもらえば、分かる範囲で答える形で進められます。
この解説の監修者と、施工計画書のご相談
スマイルビルドでは、この考え方に沿って、施工計画書の下書き・図表・整合確認をお手伝いしています。当社は書類作成の補助を行います。書類の内容の決定・確認、記名押印(社内承認)、発注者・元請への提出は、お客様(受注者)が行います。官公署への申請・届出の書類作成や代理(建設業許可・経営事項審査・入札参加資格・建設リサイクル法の届出・労働基準監督署への届出 など)はお受けしていません。
施工計画書の作成者についてよくある質問
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施工計画書は誰が書きますか?施工計画書は、工事を請け負った受注者(元請)が作成し、発注者へ提出するものです。計画の内容に責任を持つのは、その工事の主任技術者(監理技術者)です。資料の整理や下書きを社内外の人が手伝うことはありますが、計画の技術的な判断は主任技術者(監理技術者)が行い、受注者(元請)として承認・提出します。
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施工計画書の作成を「代行」してもらうことはできますか?外部に頼めるのは、下書き・図表・整合確認などの作成の補助までです。施工計画の判断と内容の確認は主任技術者(監理技術者)が行い、受注者(元請)として承認・提出します。
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施工計画書の作成を外注してもいいですか?下書き・図表の作成・記載内容の整合確認といった作成の補助を外部に頼むことは行われることがあります。ただし、施工方法や工程などの計画の技術的な判断は主任技術者(監理技術者)が行い、受注者(元請)として承認・提出する必要があります。外部に頼む場合も、内容を理解し、自らの計画として責任を持てることが前提です。
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施工計画書の作成義務はありますか?公共工事では、発注者の共通仕様書で、受注者は工事着手前に施工計画書を監督職員に提出することとされているのが一般的です。民間工事でも、契約や元請の社内基準で提出を求められることが多くあります。具体的な提出時期や記載事項は、工事ごとの共通仕様書・特記仕様書で確認してください。