グリーンファイルとは:建設現場の安全書類をまとめた書類一式
グリーンファイルとは、建設現場で元請と下請の間でやり取りする安全書類(労務安全書類)を一冊にまとめたものの通称です。緑色のファイルにとじて管理されることが多かったことから、そう呼ばれるようになったといわれています。
中身の多くは、一般社団法人 全国建設業協会(全建)が公表している「全建統一様式」です。ただし、元請によっては独自の様式を使うこともあります。「安全書類とは」と聞かれたときに指すものも、ほぼこの書類一式です。
安全書類(全建統一様式)の一覧と役割
主な書類と、それぞれが何のためにあるかを整理しました。
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 再下請負通知書 | 下請負人がさらに下請に出したことを元請に知らせる書類。元請が施工体制台帳を作るもとになる |
| 施工体制台帳・施工体系図 | 元請が下請の体制と技術者を一覧・図にしたもの(詳しくは施工体制台帳とは) |
| 作業員名簿 | 現場に入る作業員の氏名・資格・保険の加入状況・健康診断の受診日などをまとめた名簿 |
| 工事・通勤用車両届 | 現場で使う車両と運転者、任意保険の内容を元請に知らせる書類 |
| 持込機械等の使用届 | 移動式クレーンや車両系建設機械、電動工具などを持ち込む際に、点検状況や運転者の資格を知らせる書類 |
| 火気使用願 | 溶接・溶断など火気を使う作業をする際に、元請の許可を得るための書類 |
| 年少者・高齢者の就労に関する書類 | 元請によっては、年少者や高齢者が作業に従事する場合に、配慮事項とあわせて報告を求められることがあります |
このほか、新規入場者教育の記録や、外国人の就労に関する書類などを求められることもあります。必要な書類は現場や元請によって異なります。
グリーンファイルは誰が作って、誰に出すのか
多くの書類は、下請(協力会社)が自社の情報を記入して元請に提出します。元請はそれを確認し、施工体制台帳や施工体系図にまとめ、現場で保管します。作業員名簿や車両届は下請が作り、施工体制台帳は元請が作る、というように作成者が書類ごとに分かれている点に注意が必要です。
なお「グリーンサイト」は、こうした書類をインターネット上で作成・提出するための民間のサービスの名前で、書類一式を指す「グリーンファイル」とは別のものです。
書類ごとのポイント:誰が作り、いつ出し、どこが抜けやすいか
主な書類について、多くの現場での扱いを整理しました。提出の時期や様式は、元請の指示で確認してください。
作業員名簿
下請が作り、作業員が現場に入る前に元請へ出すのが一般的です。資格・保険の加入状況・健康診断の受診日の欄が抜けやすく、新しい作業員が加わったときの追加の提出も遅れがちです。
再下請負通知書
下請負人がさらに下請に出したときに、その下請負人が作って元請に出します。下請の契約が増えるたびに必要になり、出し忘れると元請の施工体制台帳を更新できません。
施工体系図
元請が、施工体制台帳の内容をもとに作ります。下請の追加や交代があったときに、台帳と同時に直すのを忘れやすい書類です。
持込機械等の使用届
機械を持ち込む会社が作り、持ち込む前に元請に出します。点検の記録や、運転する人の資格の写しの添付が抜けやすい書類です。
有資格者の一覧
資格が必要な作業を誰が行うかを示すため、下請が作って元請に出します(様式は元請によって異なります)。資格証の写しと、名前・資格の名称が合っているかを確認します。
新規入場者教育の記録
新しく現場に入る作業員への教育を行い、その記録を残します。教育を受けた日と、作業員名簿の入場日が合っているかを確認します。
作業員名簿などの個人情報の扱いに注意
作業員名簿には、生年月日・住所・緊急連絡先・健康診断の受診日など、作業員一人ひとりの個人情報が含まれます。健康診断の結果は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされる情報にあたり、扱いに特に注意が必要です。
- 様式が求める範囲(受診日など)だけを記入し、結果そのものは必要な場合に限る
- 受け渡しの方法と保管場所を決め、目的の範囲外で使わない
- 工事が終わったあとの保管期間と廃棄の方法を決めておく
書類の作成を外部に頼む場合も、委託先での使い方(目的の範囲内で使う・終了時に返却か削除する等)を契約で決めておくことが大切です。
グリーンファイルでよくあるつまずき
- 協力会社ごとに書き方がばらばらで、元請でのまとめ直しに時間がかかる
- 作業員名簿と有資格者の一覧、施工体制台帳のあいだで、社名や資格の期限が食い違っている
- 新しく入る作業員の書類が、入場日までにそろわない
- 持込機械の点検の記録や、運転する人の資格の写しが添付されていない
- 作業員の資格証の写しと、名簿に書いた資格の名称が合っていない
- 再下請負通知書の提出が遅れ、施工体制台帳の更新が追いつかない
書類が多いぶん、1枚ずつの書き方よりも「書類どうしの整合」と「期限の管理」で手間がかかります。チェックの順番を決めておくと、まとめる時間を減らせます。
グリーンファイルの解説で参考にした資料
- 一般社団法人 全国建設業協会「全建統一様式」
- 建設業法 第24条の8(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)
- 個人情報の保護に関する法律(要配慮個人情報)
様式は改訂されることがあります。最新の様式は全国建設業協会や元請の指定でご確認ください。
「グリーンファイルとは」の監修者と、書類作成のご相談
当社は書類作成の補助を行います。書類の内容の決定・確認、記名押印(社内承認)、発注者・元請への提出は、お客様(受注者)が行います。官公署への申請・届出の書類作成や代理(建設業許可・経営事項審査・入札参加資格・建設リサイクル法の届出・労働基準監督署への届出 など)はお受けしていません。
グリーンファイルとはについてよくある質問
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グリーンファイルと安全書類は同じものですか?ほぼ同じものを指します。安全書類(労務安全書類)を一冊にまとめたものの通称がグリーンファイルで、中身の多くは全建統一様式です。
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作業員名簿は誰が作りますか?現場に作業員を入れる下請(協力会社)が作成し、元請に提出します。元請は内容を確認し、施工体制台帳などとあわせて管理します。
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グリーンファイルの作成を外部に頼めますか?当社がお手伝いするのは、書類の取りまとめや転記、書類どうしの照合といった作成の補助です。記載内容の確認と提出は、それぞれの書類の作成者(元請・下請)が行います。