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施工体制台帳とは ― 書き方と添付書類、施工体系図との関係

公開:2026年10月5日/更新:2026年10月5日/監修:スマイルビルド代表 杉山弘晃(1級土木施工管理技士)

施工体制台帳とは:元請が下請の体制を一覧にした台帳

施工体制台帳とは、元請(発注者から直接工事を請け負った建設業者)が、その工事に関わるすべての下請負人の名称・工事の範囲・技術者などを一覧にした台帳です。建設業法第24条の8で作成が定められています。

目的は、元請が現場の施工体制を正確に把握し、技術者の配置や一括下請負の有無、社会保険の加入状況などを確認できるようにすることです。台帳とあわせて、下請の関係を図にした「施工体系図」も作成します。

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作成が必要な工事と、公共工事での扱い

建設業法第24条の8では、発注者から直接請け負った特定建設業者が、下請契約の請負代金の総額が政令で定める額以上になる場合に、施工体制台帳を作成して工事現場ごとに備え置くこととされています。金額の基準は改正されることがあるため、最新の建設業法施行令で確認してください。

公共工事では金額にかかわらず作成公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入札契約適正化法)第15条により、公共工事を受注した建設業者は、下請契約を結んだ場合は金額にかかわらず施工体制台帳を作成し、その写しを発注者に提出することとされています。

下請負人がさらに下請に出した場合は、その下請負人が元請に「再下請負通知書」を出し、元請はそれをもとに台帳を更新します。

施工体制台帳の書き方:記載する主な事項

記載事項は建設業法施行規則で定められています。主なものは次のとおりです(様式は国土交通省の記載例や、元請・発注者の指定様式を使うのが一般的です)。

区分主な記載事項
元請(作成建設業者)について建設業の許可(業種・番号)、工事の名称・内容・工期、発注者との契約日、監理技術者・主任技術者の氏名と資格、専門技術者を置く場合はその氏名と資格、健康保険等の加入状況
下請負人について商号・名称と所在地、建設業の許可、請け負った工事の内容と工期、主任技術者の氏名と資格、健康保険等の加入状況、外国人の就労の有無 など

書くときの要点は、契約書・許可証・資格者証などの元の書類と一字一句合わせることです。社名の表記や許可番号、技術者の資格の名称がずれていると、発注者の確認で指摘を受けやすくなります。

項目ごとの書き方:どこから転記し、どこで間違えやすいか

記入例の図(架空の内容)と、主な項目ごとの要点です。様式は元請・発注者の指定に合わせてください。

施工体制台帳(記入例・架空の内容)会社名○○建設株式会社← 許可通知書と同じ表記建設業の許可土木工事業 ○○大臣 許可 第○○○号← 期限も確認工事名称○○線 道路改良工事← 契約書と同じ表記工期令和○年○月○日〜○月○日← 変更契約で直す監理技術者○○ ○○(1級土木施工管理技士)← 資格者証と照合健康保険等健康保険・厚生年金・雇用保険:加入← 作業員名簿と合わせる
施工体制台帳の記入例(架空の内容)と、項目ごとの確認点

会社名・所在地

建設業許可通知書や登記の表記に合わせて書きます。「株式会社」の位置や略称の使い方が、ほかの書類と食い違っていると確認のときに指摘を受けやすくなります。

建設業の許可

許可通知書から、許可業種・許可番号・許可年月日を転記します。許可には有効期間があるため、工期の途中で期限を迎えないか、更新の手続き中でないかも確認しておきます。

工事名称・工期

請負契約書と一字一句同じ表記にします。変更契約で工期や工事の内容が変わったときは、台帳も同時に直します。

発注者・監督職員

発注者名は契約書の表記に、監督職員は発注者からの通知に合わせます。工事の途中で監督職員が代わったときは、通知に合わせて更新します。

監理技術者・主任技術者

氏名と資格の名称を、資格者証などの元の書類と照らし合わせて書きます。資格の名称の略し方や、資格者証の有効期限の確認が抜けやすい項目です。技術者が交代したときは、交代の日付とあわせて更新します。

専門技術者

専門技術者を置く場合は、その氏名と資格、担当する工事の内容を書きます。置かない場合の書き方は、様式の指示に合わせます。

健康保険等の加入状況

健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況を書きます。作業員名簿や再下請負通知書の記載と食い違いがないかを、まとめて確認しておくと手戻りを防げます。

外国人の従事状況

様式に欄がある場合は、外国人の従事の有無を書きます。従事する場合に追加で求められる書類は、元請・発注者の指示で確認してください。

下請負人の欄

下請負人から出された再下請負通知書をもとに、商号・許可・工事の内容・工期・主任技術者を転記します。二次以下の下請も漏れなく載せ、次数が分かるようにしておきます。

施工体制台帳の添付書類

施工体制台帳には、記載内容を裏付ける書類を添付します。主なものは次のとおりです。

  • 発注者との請負契約書の写し
  • 下請契約書(注文書・請書)の写し
  • 監理技術者資格者証の写しなど、技術者の資格を証する書面
  • 技術者と所属会社との雇用関係を確認できる書面の写し

何をどの程度添付するかは、元請の社内基準や発注者の指示で決まっていることがあります。個人情報を含む書類は、必要な部分以外を見えないようにして添付するなどの配慮が求められる場合もあるため、発注者・元請の指示を確認してください。

施工体系図との関係と、施工体系図の書き方

施工体系図は、施工体制台帳の内容をもとに、元請から各下請負人までの関係を樹形図のように表したものです。建設業法第24条の8第4項で作成が定められ、工事現場の見やすい場所に掲げることとされています。公共工事では、工事関係者だけでなく公衆が見やすい場所に掲げることとされています。

書き方の要点は、台帳と同じ内容を、次数(一次・二次…)が分かる形で並べることです。下請の追加や工期の変更があったら、台帳と体系図を同時に直します。

施工体制台帳でよくある間違い

  • 再下請負通知書が集まっておらず、二次以下の下請が台帳に載っていない
  • 下請の追加・変更や技術者の交代があったのに、台帳と施工体系図が更新されていない
  • 許可の有効期限や資格の名称が、元の書類と食い違っている
  • 社会保険の加入状況の記載が、作業員名簿などほかの書類と合っていない
  • 監理技術者の資格者証の有効期限が確認されていない
  • 下請の工事の内容が、注文書・請書の記載と食い違っている

どれも「書類どうしを突き合わせる」ことで防げる間違いです。特に公共工事では台帳の写しを発注者に提出するため、提出前に書類間の照合をしておくことをおすすめします。

施工体制台帳の解説で参考にした資料

  • 建設業法 第24条の8(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)、建設業法施行令、建設業法施行規則
  • 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条
  • 国土交通省「施工体制台帳の作成等について」の公表資料・記載例

法令や基準は改正されることがあります。最新の内容は、発注者や国土交通省の公表資料でご確認ください。

「施工体制台帳とは」の監修者と、書類作成のご相談

杉山 弘晃(スマイルビルド 代表) 経歴:2016年〜2024年 株式会社安藤・間 在籍。 実績:大規模工事で監理技術者を務め、施工計画書や施工体制台帳を作成・確認する立場を経験。関東地方整備局長表彰受賞工事に従事。1級土木施工管理技士(監理技術者資格者証 保有)・コンクリート技士。 経歴の詳細は会社概要をご覧ください。

当社は書類作成の補助を行います。書類の内容の決定・確認、記名押印(社内承認)、発注者・元請への提出は、お客様(受注者)が行います。官公署への申請・届出の書類作成や代理(建設業許可・経営事項審査・入札参加資格・建設リサイクル法の届出・労働基準監督署への届出 など)はお受けしていません。

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施工体制台帳とはについてよくある質問

  • Q施工体制台帳は誰が作りますか?
    発注者から直接工事を請け負った元請が作成します。下請負人は、さらに下請に出した場合に再下請負通知書を元請に出し、元請がその内容を台帳に反映します。
  • Q施工体制台帳と施工体系図はどう違いますか?
    施工体制台帳は下請負人や技術者の情報を詳しく記載した台帳で、現場に備え置くものです。施工体系図はその関係を図にしたもので、現場の見やすい場所に掲げます。
  • Q施工体制台帳の作成を外部に頼めますか?
    当社がお手伝いするのは、台帳への転記や書類どうしの照合などの作成の補助です。記載内容の確認と、発注者への写しの提出は元請が行います。

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