結論:工期末の前に、書類一覧と保管場所を渡して「取りまとめと不足の洗い出し」を頼む
完成検査書類(竣工書類)の外注は、工期末の1〜2か月前を目安に相談し(検査日が決まったら、その日を外注先へ伝えます)、発注者の提出書類一覧と、書類・写真の保管場所をまとめて渡すのが進めやすい頼み方です。外注先に頼めるのは、施工中の記録の集約・表記の統一・一覧表の作成・書類どうしの整合確認と不足の一覧化・検査用ファイルの編集といった「取りまとめの補助」です。足りない記録の確認と是正の判断、書類の承認と提出、検査での説明は、元請(受注者)が行います。
完成検査書類(竣工書類)とは
完成検査書類は、工事のはじめから終わりまでに作られた記録(施工計画書・打合せ簿・材料確認・段階確認・出来形管理・品質管理・工事写真・安全関係の記録など)を、完成検査で確かめやすい形に束ねたものです。新しく作る書類というより、施工中に作った記録を「そろえて、つなげて、並べる」作業が中心になります。
完成検査では、書類1枚ずつの出来ばえだけでなく、記録どうしがつながっているか(日付の前後、変更の反映、協議と承諾の記録、写真の過不足)が確かめられます。外注を頼むときも、この「つながりの確認」までを頼めるかがポイントです。
頼む時期の目安と、時期ごとにすること
余裕がある場合の目安です。公共工事では、完成の通知のあとに検査日が決まり、検査までの期間が短いこともあるため、検査日ではなく工期末から逆算して相談しておくと進めやすくなります。検査日が迫っている場合は、不足の洗い出しを先に行い、優先順位をつけて進めます。
| 時期 | 外注先がすること | 元請が行うこと |
|---|---|---|
| 施工中(毎月) | その月の書類・写真の整理と表記の統一 | 記録の作成と、月ごとの確認 |
| 工期末の1〜2か月前 | 提出書類一覧と照らして、そろっている書類・足りない書類を洗い出す | 不足の一覧を見て、記録の確認・追加を進める |
| 検査日の前 | 発注者の提出・提示の方法に合わせて、紙の検査用ファイルや電子データを整理し、一覧表を作る | 内容の確認と社内承認 |
| 検査当日 | ― | 発注者への提示・検査での説明 |
施工中から毎月整理しておくと、工期末の取りまとめが軽くなります。工事の途中から頼み、竣工の取りまとめにつなげる形もあります。
頼むときに渡すもの
- 発注者の提出書類一覧(工事書類の提出・提示の区分が分かるもの)
- 契約図書(設計図書・特記仕様書)と、変更契約があればその数量・図面
- 施工中に作った書類・写真・図表(フォルダごと。紙の書類はスキャンでも可)
- 元請の社内の綴り方や、過去に完成検査で使ったファイルの例
- 検査の予定日と、検査の形式(紙・電子・その併用)
そろっていない資料があっても、外注先に「どこにも見当たらない書類」を一覧にしてもらえば、分かる範囲から進められることが多くあります。
依頼のときに伝えること
| 伝えること | 理由 |
|---|---|
| 頼む範囲(不足の洗い出しだけ/一覧表まで/検査用ファイルの編集まで) | 範囲によって作業の量と納期が変わるため |
| 発注者と、指定の様式・綴り順 | 国・都道府県・市区町村で、様式や綴り方の指定が違うため |
| 納品の形(紙のファイル・しおり付きPDF・電子納品の対象かどうか) | 検査の進め方に合わせて編集するため。電子納品の対象工事は、発注者の電子納品要領や事前協議の内容に合わせるため |
| 確認する窓口と、最終確認をする方 | 不足や食い違いの問い合わせ先をはっきりさせるため |
| 途中で変更契約が入る予定の有無 | 出来形の図表・一覧表・竣工図面への反映を見込むため |
外注で頼めること・元請が行うこと
| 外注先に頼めること(取りまとめの補助) | 依頼する側(元請など)が行うこと |
|---|---|
| 書類の集約と、ファイル名・様式・日付の表記の統一 | 足りない記録の確認と、是正の判断 |
| 書類どうし・写真との整合の確認と、不足の一覧化 | 書類の内容の確認と社内承認 |
| 出来形・品質の一覧表、写真と書類の対応表の作成 | 発注者への提出・提示 |
| 検査用ファイル(紙・PDF)の編集 | 完成検査での説明 |
考え方の根拠は施工計画書は誰が作るのかで整理しています。外注先の種類ごとの向き不向きは工事書類の外注先の選び方をご覧ください。
外注先に確認しておくこと
| 確認すること | 確かめ方 |
|---|---|
| 土木の完成検査を知る技術者が見るか | 検査で確認される順番(日付の前後・変更の反映・協議の記録)を踏まえて取りまとめるかを聞く |
| 不足の扱い | 見つかった不足や食い違いを、勝手に直さず一覧で返すかを確かめる |
| 様式・綴り順への対応 | 発注者の提出書類一覧や社内の綴り方に合わせられるかを確かめる |
| 守秘とデータの扱い | 秘密保持の取り決め、受け渡しの方法、納品後の削除を確かめる |
| 一部だけ頼めるか | 不足の洗い出しだけ、一覧表の作成だけでも頼めるかを確かめる |
年度末(12月〜3月)に頼むときの注意
公共工事は年度末に工期末が集まりやすく、12月から3月は完成検査書類の取りまとめも重なります。この時期は外注先の予定も埋まりやすいため、次の進め方がおすすめです。
- 工期末が見えた時点で、まず外注先に工期と検査の見込みだけでも伝えておく
- 書類がそろうのを待たずに、先に「不足の洗い出し」だけを頼む
- 工期末が近い現場が複数ある場合は、検査日の早い順に優先順位をつけて相談する
- 翌年度の工事は、施工中から毎月の整理を頼んで、工期末の作業を減らす
「完成検査書類の外注の頼み方」の監修と、書類作成のご相談
当社は書類作成の補助を行います。書類の内容の決定・確認、記名押印(社内承認)、発注者・元請への提出は、お客様(受注者)が行います。官公署への申請・届出の書類作成や代理(建設業許可・経営事項審査・入札参加資格・建設リサイクル法の届出・労働基準監督署への届出 など)はお受けしていません。
- 頼める範囲:この記事の「外注で頼めること・元請が行うこと」のとおり、完成図書・出来形や品質の記録・工事写真の整理と台帳、検査用の書類の取りまとめの補助です。内容の確認、記名押印、発注者への提出は元請様が行います。
- 納期の目安:書類の量によります。検査日が決まったら早めにご相談ください。年度末は混み合います。
- 渡すもの:契約図書、出来形・品質の記録、工事写真、発注者の提出様式、これまでに提出した書類。
- 頼み方:「こういうのはできますか」とお電話(080-6070-5248)でお聞きいただくのが早いです。竣工書類の取りまとめ支援のページのフォームからも受け付けています。
完成検査書類の外注についてよくある質問
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完成検査書類の外注は、いつ頼めばよいですか?余裕がある場合は、工期末の1〜2か月前が目安です。検査日が決まったら、その日を外注先へ伝えます。検査日が迫っている場合は、不足の洗い出しを先に頼み、優先順位をつけて進めます。年度末は外注先の予定も埋まりやすいため、早めの相談をおすすめします。
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足りない書類や写真を作ってもらえますか?施工中のメール・指示書・協議メモなど、お客様の既存の記録をもとに、一覧表の作成や打合せ簿の転記・体裁の調整をお手伝いできます(内容の確認は元請様が行います)。発議日や協議の内容・回答、実施していない確認の記録、撮っていない写真・測っていない数値を後から作ることはできません。不足は一覧にしてお返しし、対応は元請様が決めます。
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不足の洗い出しだけを頼むこともできますか?外注先によって異なります。当社では、不足の洗い出しだけ、一覧表の作成だけといった一部のご依頼もお受けしています。
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完成検査での説明は誰が行いますか?発注者への提示と検査での説明は、発注者の検査の要領や現場の体制に従い、受注者側の担当者(現場代理人・監理技術者・主任技術者など)が行います。当社は、検査で確認される順番を踏まえて書類を束ね、説明しやすい形にしてお渡しします。